フルカラー複合機 MX-2310F
MX-2310Fは、2010年にシャープから発売されたフルカラー複合機で、業界全体で見ても特に売れた機種です。うーん、ホント、たくさん買ってもらったなぁ。
新品として売っていた頃は、使いやすい機能と、お値打ちな価格設定、色の安定性も従来モデルと比べても高く、売り手にとっても安心して売れる機種でした。発売から5年たった今は、丸正事務器の中古販売の主力となっています。
このモデルから、大幅に軽量化されたのも私たちにとっては嬉しいですね。搬入がホントにラクになりました。カタログ記載の重量でも、前のモデル（MX-2301FN)と比べて110kg台から70kg台へと、マイナス40kgの大幅ダウン！これどんなもんかというと、パパイヤ鈴木の一番太ってた時の体重と今の体重にほぼ一致します。そりゃーダンスもキレが増しますよね。
最初見た時には、「えらいプラスチッキーな機械だな、大丈夫か、これ？」と言っていたのですが…、月5000枚ほどの使用までなら全然大丈夫ですね。MX-2310F以前の機種は、フレームの耐久性はあったけどコンピューター面が弱く、使用しているとだんだん色の出方が変わってくるという弱点がありました。MX-2310Fは、軽量化されてフレームの耐久性は比較すれば劣っているかもしれませんが、コンピューター面の機能はかなりレベルアップしたので、色の出方は安定性がとても高くなりました。
ただ、欠点というか、特性上の弱点もあります。色の出方には良い意味でも悪い意味でもモデルによってクセ、つまり特性があります。MX-2310Fの色の出方は淡い繊細な表現が得意なのです。たとえば同じ写真を印刷したとしても、前の機種だと影で黒くつぶれていたところも、MX-2310Fなら影の中でも色の塗り分けがあり、ちゃんと印刷されるようになったりしています。その結果、全体的に色が薄く見えがちになります。
この特性が、弱点になっていたんです。2世代前のモデルMX-2300FGは、真逆で色が濃く写るクセがあったんです。ちょうどタイミング的にもこの買い替えが多く、お客様にはずいぶんと「色が薄くない？」と言われてしまいました…。
だから言わせてください。「薄くなったのではなく、繊細になったんです！前のがガサツだったんです！」と。そんなわけで、写真の印刷や、建築士さんが作るようなパースの印刷はそれまでの複合機と比べてもとてもきれいに印刷できるようになりました。
印刷品質の改善は、トナーの改良の結果が現れています。簡単に言えば、より粒子が細かくなりました。それともう一点、トナーの容器も改善されました。これが地味にありがたい。以前のトナーは、中身がこぼれないようにキャップがしてあり、それを外さないといけませんでした。これがイマイチ使い勝手が悪く、キャップを外すと中からビニールのテープも出てくるのですが、これにトナーが少しついて出てくるんです。で、風に乗ってペロンと予想外の動きをして、シャツについたり手についたりして汚れちゃうわけです。地味に気をつかわないといけない鬱陶しかったキャップが、MX-2310Fには最初からついていないんです。うっかりキャップをはずしわすれて機械に入れて、トナーが割れてしまうこともありました。だから、ありがたい！地味にありがたい！あ、キャップはついてなくてもトナーがこぼれたりはしませんのでご安心を。
非常に優等生な機種ですが、1点だけ前モデルに比べてマイナスな変更がありました。手差しトレイの給紙ローラーが、以前は3箇所あったのがこのモデルは2箇所なんです。普通の使い方では、よっぽど影響はありません。影響が出てくるのは、「ラベルシートをたくさん印刷する時」です。ラベルシートはその構造上、重なっている紙を離すのが苦手なんです。つまりどうなるかというと、紙が1枚ずつ給紙できない＝重送するようになるんです。少量なら大丈夫なんですけどね、10枚とかやるとたいてい重送してしまいます。以前の給紙ローラー3点式のものは、うまく紙を捌けていたので、ここまで重送することはなかったんです。なので、ラベルシートの印刷が多い方には、事前にテストさせてもらうようにしています。軽量化とコスト削減のためなのでしょうが、これは変えないでほしかったなぁ…。
